FF好きの教員日記

二十代半ばの教員が、至って真面目にだらだら話します。

ずうっと、ずっと、だいすきだよ

こんばんは。

本日、エルフが死んでしまいました。

 

この単元『ずうっと、ずっと、大すきだよ』が始まると、一年生も終わりだなという気持ちにさせられます。終わりも見えて、少し虚しくなります。

 

知らない方や忘れた方のために、あらすじを…。

この作品は、ぼくとその家族のエルフという犬について、ぼくの目線で書かれた物語です。生まれてからこの二人は、一緒。ぼくは、エルフのことを「ぼくの犬」と言い表しほど。

そんなエルフが年老ていき、ついには死んでしまいます。僕は悲しみの中で、「いくらか気が楽だった」と言います。それは、毎晩自分だけはエルフに大好きだよ、と伝えていたから。

だから、きっとこれから出会うものにも言ってあげるんだ。という言葉で終わります。

 

きっと、この作品に感じる寂しさは、作品の寂しさだけではないんでしょう。

担任として初めてこの作品と向き合いましたが、やっぱり明るくなんて出来ないですね。ただ、この作品を読んでしんみりとする、ということが死を辛いもの、悲しいものとして捉えているということに繋がるのではないでしょうか?

 

今回、ぼくはベタですが初読の感想から引っ張ってきた言葉達で、ぷちディスカッションの単元構成にしました。

エルフが元気な時、老いている時、死んだ時、死後という4構成。今日はその3時間目に当たる時間でした。

 

元気な時には、明るく

「素晴らしい犬って?」「なんで家族は大好きって言わないの?」「どうしてぼくの犬、なの?」とか他愛もない、しかし、的を射た質問をダラダラも話し合いながら進めてきました。

そこで、ぼくとエルフは同じ夢を見て、夢の中でも一緒にいるほど絆が深い、ということを理解させました。ただ漠然と。これが大事になるんです。

 

老いている時には、

「どうして上で持っていくの?」「なんで先に年をとるの?」「なんで散歩行かないの?」「なんで太っちゃうの?」…と。

大人になった今では当たり前のことも、特に実体験の少ない子供たちにはサッパリなんですよね。

ここで、年を取ると難しくなるんだよ。と説明してしまうのもいいですが…、人間は年をとると体がちょっとずつ痛くなったり、息が苦しくなったりすること、犬は人間より成長スピードが早いことを伝え、文章中に書かれてる出来事がどんな順番でエルフの身に起きたのかを、議論させました。

 

まあ、答えなんてないんですけど。

理由を付けて考える過程が大事ですし、考えたことによってエルフが相当しんどかったということを分かってくれるんです。

それでも、一緒に寝る、ということは、その状態でも二人の絆はかわっていないのです。

 

そして、しんでしまいました。

 

ぼくは「悲しみに耐えられない」中で、「いくらか気持ちが楽だった」んです。

今日は、それはなぜ?というお話。

心情としては、他の家族が「大好き」とエルフに大して直接言わず、心のなかで思っているだけなのに対し、自分は毎晩寝る前に言っていた。もう、二度とエルフに大好きと伝えられない状況で、毎晩言っていたぼくは、きっと伝わっていると、いくらか気を楽にする、ということだも思ってはいるんです。

子どもたちも、

「大好きって毎日言ってたから」本文の言葉です。(抜き出せるようになりました。花丸です。)

「きっと伝わっているから」

「言わないと後悔しちゃうとこだった」

と、今までの授業が生きてると感心する中、出てしまうんですね。

 

「もう、言わなくていいや、とすっきりしたから」

「大好きっていうの、疲れたから少し休めると思った」

 

 

!!!!!!!?!?!?

激震が走りました。

 

国語は多様ではいいと思っていますが、これはさすがに修整しました。

ただ、本人はよく分かっていないようでしたけど…様子を見たいと思います。

 

まあ、でもわからないんですよね。

死んだら、どう思うかなんて、何かを亡くさないと分からないですよね。特に感情に乏しい子は。仕方ない。仕方ないけど、この考えだけはいけないかな、うん。

 

明日は、その後、隣の家の子が犬を分けてあげるよと、持ってくる場面です。

さあ、どうなるかな.…欲しいとか言い出すんだろうな、もったいないじゃん!とか(笑)

 

このお話は、「寝る」ということを色んな角度から書いても居ますよね。寝かせてもらう、寝かせてあげる、眠りにつく。どれもエルフとぼくは一緒。そして、エルフの最期もきっとぼくの横だったんでしょう。

エルフは、ずっと一緒にいる、と思っているんじゃあないですかね。だからこそ、その場面で死んだんでしょうね。考えるとより深く感じますね。されど小1教材です。

あと、くそしょうもないんですが、やっぱりタイトル回収を文末でするのめちゃカッこええって。これは痺れさせますわ。

 

「ずうっと、ずっと、大すきだよ」って。